片貝医院

2007/02 HPリニューアルしました(^_^;)

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    二宮康明先生の競技用機考1  グランプリ受賞機 N−078
 第1回国際紙飛行機大会サンフランシスコ大会で滞空時間15秒・飛行距離45m
を飛び、両部門で優勝してグランプリを受賞した二宮康明先生の競技用機です。
これ以前にも紙飛行機を趣味にされていた方もいらっしゃるとは思いますが、本
機が国際的な紙飛行機文化の普及に貢献した記念すべき機体だと思います。重
心位置は翼弦の25%、きつめのキャンバー、小さな水平尾翼など、現在の競技用
機とは大幅に違いますが、垂直尾翼周囲のデザインは秀逸で色褪せていません。


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    二宮康明先生の競技用機考2  初期の競技用機
 初期の競技用機です。胴体は太いものの貼り合わせ枚数は後部で3枚、機首で
7枚でした。迎え角を持ち 重心位置は翼弦の50%に置かれていました。 典型的な
らせん上昇型の機体です。上昇性能よりも迎え角と沈下速度の関係から滑空性能
を重視して設計されていた時代のものですが、 実際に飛ばしてみると豪快な旋回
をみせ、現在の垂直上昇型競技用機にはない味わいがあります。 写真の機体の
展開図は現代風に丈夫にしてケント紙パーツだけで重心を整えてあります。


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    二宮康明先生の競技用機考3  初期のT尾翼競技用機
 初期のT尾翼競技用機です。T尾翼競技用機はコックピットを有するものとして
デザインに一貫性を持たせてありました。本機は子供の科学誌1973年9月号に
発表されたものです。重心位置が翼弦の50%に置かれていた時代で垂直尾翼や
水平尾翼が小さく、高性能ソアラーを思わせる非常に格好の良いものでした。コッ
クピットは塗装だと色塗りむらができるので、胴体が仕上がってから薄い色画用
紙を両側に貼って表現しました。


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    二宮康明先生の競技用機考4  胴体後部の強化 N−140A
 子供の科学誌1975年5月号に発表されたオーソドックスな楕円翼の競技用機
です。この機体から後部胴体の強度について改良が重ねられていく事になりま
す。この機体以前は折損しやすい水平尾翼取り付け部前方の胴体貼り合わせ
枚数は3枚でした。この機体ではいわゆるパーツCが初めて水平尾翼前縁より
後方にのばされ、4枚合わせとなりました。胴体強度のアップにメスを入れた最
初の機体として意義があります。フル ・ サイズの機体です


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    二宮康明先生の競技用機考5  二段上反角の開発 N−281
 1975年8月号に発表された競技用機です。胴体下部につけられた垂直尾翼も
斬新なデザインで注目されましたが、なによりもキャンバーを保持しつつ翼端に
も上反角を持った二段上反角が話題を呼びました。当時は翼端のパーツにノリ
しろがありましたが、1978年1月号発表のN−376より中央主翼端に移されまし
た。また、重心位置のマークが脱落していてこれがブラックボックスになっていま
す。二宮先生の競技用機発展史上、きわめて意義のある名機です。


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    二宮康明先生の競技用機考6  競技用機新時代の幕開け N−350
 昭和50年4月から二宮先生は電気通信の技術協力の仕事でイランのテヘランに駐留しま
した。近くの砂漠でテストした競技用機で1分以上の滞空記録を作ったものを子供の科学誌
上で1977年1月号から連続して発表しました。本機はそのトップ ・ バッターとなったN−350
です。主翼全面にキャンバーを保持した翼端上反角、迎え角を抑えて後退させた重心位置、
強度を上げた胴体後部の貼り合わせ枚数など、どれをとっても二宮先生の競技用機の新時
代の到来を予期させた名機中の名機です。


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    二宮康明先生の競技用機考7  7分10秒の視界没 N−345
 イランのテヘランの砂漠で白い翼を輝かせながら7分10秒で視界没になったという
競技用機です。旋回を続けながら7〜8秒毎にキラリキラリと翼が輝く姿は非常に印象
的であった、と後に二宮先生が回想されています。異国の地での視界没には、何となく
ロマンを感じます。機体そのものはオーソドックスな直線翼の一段上反角の機体です。
現在の競技規定に合うように紙製フックをつけてみました。二宮先生の紙飛行機連載
10周年を記念して、子供の科学誌1977年9月号に発表されました。


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    二宮康明先生の競技用機考8  翼弦長の拡大 N−576
 子供の科学誌1983年3月号に発表された競技用機です。発進の際に強い風圧力
がかかる主翼中央部の翼弦長を大きくして丈夫に設計されました。 この手法は次
のスカイ ・ カブ シリーズに受け継がれていきます。主翼は負の曲率を持っている
のでデザイン的には格好がよいです。 フラッタをほとんど起こさないので、何機も
作製しました。コックピットは薄手の青色画用紙を胴体完成後に両側に貼って表現
してみました。


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   二宮康明先生の競技用機考9  スカイ ・ カブVをベースにした競技用機
 スカイ ・ カブ シリーズはAG社から販売されているもので、バルサ胴+ケント紙翼で
手軽に高性能を楽しめるのが特徴です。悪くはないのですが、 最近では紙パーツは
打ち抜きのカット済みとなり、さらにはシール仕様まで登場しています。写真の機体は
子供の科学誌に発表された全紙製のものです。二宮先生の紙飛行機連載30周年の
時も40周年の時も紙飛行機の特集がなされていますが、先生は自分の手を動かして
ものを作ることの重要性を語っています。全紙製の本機に先生の真意がうかがえます。


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    二宮康明先生の競技用機考10  T尾翼競技用機
 AG社のホワイト ・ ウィングスのT尾翼競技用機です。MOSTウィングが採用
されたもので主翼全面にキャンバーを持ち高い揚力を発生します。重心位置は
初期のT尾翼競技用機と比して、迎え角を抑えた分だけ後退し翼弦の75%程度
になっています。後部胴体は細身になりましたが、貼り合わせ枚数が増加し強度
は十分です。以上の2点より縦安定と方向安定を維持するために垂直尾翼と水
平尾翼が大きくなっています。横ゆれも改善されています。


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    二宮康明先生の競技用機考11  MOSTウィング機
 AG社から販売されているホワイト ・ ウィングス シリーズ ハイパフォーマー
の中の2機です。主翼全面にキャンバーを持った二段上反角のMOSTウィ
ング機です。少ない空気抵抗、高い安定性、胴体の丈夫さなど、どの面から
見ても二宮式競技用機のひとつの完成型と考えられます。



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    二宮康明先生の競技用機考12  垂直上昇型競技用機
 主翼取り付け角を0に近づけ重心位置を翼弦の80〜90%に後退させたうえで
水平尾翼面積を拡大し、上昇性能と滑空性能を両立させうることは金田弥菜氏、
加藤寛一郎氏のコンピューターシミュレーションで確認されています。さらに本機
は黒田保氏、井上正明氏らが開発・発展させたという後退角を持った主翼 + 双
垂直尾翼を持ったもので、現在の主流の垂直上昇型滞空競技用機です。翼端
失速を好まない二宮先生も後退翼を持ったこの手法のものを発表しています。


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 二宮康明先生の競技用機考13 珍しい機体1 だ円翼 ・ T尾翼の競技用機  
 二宮先生のT尾翼競技用機は直線翼、 コックピット ・ デザインが踏襲されて
きていますが、本機は楕円翼、翼端上反角、コックピットを持たない点でT尾翼
競技用機としては異色的な存在です。 中学生の頃、 作るのに泣かされた胴体
下部の緩やかな曲線は大変に美しく、楕円翼と上品な翼端上反角とも相まって
優雅な雰囲気を醸し出しています。しかしながら、カタパルト射出で打ち出された
機体の軌跡は非常に豪快で力強いものがあります。


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  二宮康明先生の競技用機考14 珍しい機体2 前進翼を持つ競技用機
 N-281やN-350、N-352などもかすかに主翼に前進角が付いています。
しかし、 これほど顕著な前進翼を持った競技用機は他にありません。 少年た
ちのほとんどが後退翼が格好良いと感じている中で、大胆なデザインであった
と思います。前進翼は横安定の面では不利とされていますが、本機で実験して
みるとさほどは感じられません。「 前進角のついた主翼を持つ 競技用機 」 と
して子供の科学誌1973年7月号に発表されました。


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 二宮康明先生の競技用機考15 珍しい機体3 持ち運びに便利な競技用機
 子供の科学誌1978年5月号に発表された競技用機です。マニアは自作のキャリ
ング ・ ケースを持っていますが、これは持ち運びに便利なようにと、主翼が輪ゴム
を使用した脱着式になっているほか、 低い垂直尾翼、 小さな水平尾翼が特徴とな
っています。このため重心位置は翼弦の20〜25%に置かれています。持ち運びに
便利な点はともかく、この大きな迎え角を持ち、重心位置をかなり前方にして水平
尾翼面積を縮小した機体がどのような滑空をするのか興味深いところです。


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     二宮康明先生の競技用機考16 珍しい機体4 V尾翼競技用機
 子供の科学誌1978年7月号に発表されたV尾翼競技用機です。フルサイズの
スパンを持つのがこの時代の競技用機でした。V尾翼のものは私の知る範囲内
ではこの1機だけです。 現在の競技に使用できるように紙製フックをつけようと
考えましたが、胴体前部の下の曲線が本機の特徴なので、パーツ@〜Bまでに
スリットを入れて、いつでも金属フックが差し込めるようにだけにして特徴のある
ラインを残しました。


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    二宮康明先生の競技用機考17 私の好きな機体







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 二宮康明先生の競技用機考19 私の好きな機体 紙飛行機の世界への誘い
 小学6年生の時、ふと書店で見かけた 「 よく飛ぶ紙飛行機集 」。迷うことなく
小遣いで買い求めました。最初に作ったのが 「 低翼トレーナー 」。そして、2機
目がこの 「 小型競技用機 」 でした。当時、半紙に型紙を写し、慣れない手つき
で懸命に作った機体は、家の裏の雪原で想像以上に長く飛びました。競技用の
意味もわからず、 しかも雪原で飛ばしたあたりは素人の小学生。 しかしながら、
このフライトが私を30年以上にわたり、紙飛行機に熱中させるものとなりました。


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    二宮康明先生の競技用機考20  美しきノスタルジア
グランプリ受賞機を改良した競技用機です。機首の形、なだらかに盛り上がったパイ
ロン部、胴体後部の曲線、やわらかなラインで描かれた楕円翼、優雅な翼端上反角。
40年の時を超えて今なお美しさが際だつ名機です。二宮先生が発表した全競技用機
の中で最も美しいと思います。私の目にはそう映ります。日が暮れても紙飛行機を飛
ばして遊んだ少年時代を想起させるノスタルディックな機体でもあります。


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    吉田辰男先生の滞空競技用機13  「 スカイ ・ レーサー 」
 昭和49年に出版された吉田辰男先生の 「 5分でできるミニ紙飛行機集 」
は吉田式切り折り紙飛行機を収録したものですが、終末の何機かは本格的
なものがありました。本機は37番目の競技用機 「 スカイ ・ レーサー 」です。
小型で主翼スパンが180mm未満なので現在の競技会には使用できませんが、
小型である分、狭い校庭レベルでも楽しめます。胴体後下部の突出と主翼
に入っていたスリットは空気抵抗と強度の面から省きました。


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    吉田辰男先生の滞空競技用機14  「 エアロビーナス号 」
 子供の科学誌1975年2月号に発表されたものです。「 愛と美の女神ビーナス
のように美しい機体を目標に設計しました。競技用にも使えます。 」 とあります。
胴体下部に付いた左右に割れた垂直尾翼が特徴です。オリジナルは後部胴体が
T字型でしたが、胴体貼り合わせ枚数を多くして扁平胴にしました。



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