片貝医院

2007/02 HPリニューアルしました(^_^;)

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     紙飛行機ならではの楽しみ 無尾翼機 「 怪鳥ブーメラン 」
 無尾翼機は翼の後退した翼端の部分が水平尾翼の機能を持っています。この
上下の安定をつかさどる部分は試験飛行を繰り返しながら微調整する必要があり
ます。ケント紙が素材であればこの微調整が簡単にできます。造形の変化も自由
自在ですので、無尾翼機を飛ばすことは紙飛行機の大きな醍醐味のひとつといえ
るでしょう。写真は吉田辰男先生が子供の科学誌1978年12月号に発表した無尾
翼機 「 怪鳥ブーメラン 」 です。デザインの元は不明です。


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      紙飛行機ならではの楽しみ 無尾翼機 「 K822 」
 起伏に富んだ格好の良いデザインの機体です。垂直尾翼が胴体中央上下部
と主翼左右下面に付いています。また、エレヴォンの大きな張り出しもアクセント
になっています。 吉田辰男先生が子供の科学誌1982年2月号に発表し、滞空
競技用機に位置づけています。現在入手可能な誠文堂新光社の 「 高性能紙
飛行機集 」 に収録されていますので、これはぜひ作ってみて下さい。


meve
   紙飛行機ならではの楽しみ 無尾翼機 「 ラッキーバード 」
 吉田辰男先生の設計で子供の科学誌1985年12月号に発表されました。胴体
中央後部に大きな垂直尾翼をもってくるのが吉田先生の無尾翼機の特徴です。
胴体側面には楽しそうな鳥の横顔が描かれています。この表情通りの軽快な
滑空をします。



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紙飛行機ならではの楽しみ 無尾翼機 「 初期の二宮先生の無尾翼機 」
  左:「 美しい曲線をもつ無尾翼機 」 ( 子供の科学誌1973年3月号 ) と
右:「 直線でくみ立てた無尾翼機 」 ( 子供の科学誌1973年12月号 ) です。
二宮康明先生は多数の無尾翼機を発表していますが、これらは初期の設
計のものです。胴体は5枚の貼り合わせで太くずんぐりしています。スパン
が長く、比較的大きな垂直尾翼が翼端にあるのが初期の二宮式無尾翼
機の基本形です。


meve
   紙飛行機ならではの楽しみ 無尾翼機 「 斜め翼 無尾翼機 」
 二宮康明先生が子供の科学誌1982年7月号で発表した機体です。同年4月に
NASAエイムズ研究所のロバート・T・ジョンズ博士が 「 斜め翼機 」 の講演会を
行った際に、バルサ製の 「 斜め翼 」 無尾翼機を壇上から飛ばしてくれたそうで
す。その博士の手作りの模型を元に紙飛行機として設計したのが本機です。 写
真の通り、最初に発表された機体は右前進翼 ・ 左後退翼でしたが、これは試験
飛行の結果、右旋回時の横安定の面から改良され、現在では逆になっています。


meve
     紙飛行機ならではの楽しみ 無尾翼機 「 ブーメラン 」
 二宮康明先生が子供の科学誌2001年8月号に発表した機体です。ほとんどの
場合は右傾斜発進 ・ 右旋回上昇 ・ 左旋回滑空ですが、この機体にかぎり右旋
回滑空の指示が出ています。右に傾斜しても右後退角の上反角効果で復元する
という理論です。さらに本機は翼端に前進角をつけて翼端失速防止効果も狙って
います。二宮機のデザインには必ず理屈があります。本機に二宮先生の何度に
もおよぶ試験飛行と改良の跡を垣間見ることができ、この姿勢には脱帽です。


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    紙飛行機ならではの楽しみ 無尾翼機 「 N−1956 」
 二宮康明先生が子供の科学誌2003年2月号に発表した機体です。初期の
無尾翼機と比較すると主翼平面形では中央部は直線翼で翼端のみ後退翼と
なっています。二宮先生の 「 無尾翼機の理想に近い形と思っている。 」 との
言葉に前機と同様の試行錯誤の跡が垣間見えます。そこにあるのは科学する
心と方法論であり、先生の紙飛行機が単なる紙工作付録を超えて40年にわ
たって子供の科学誌に連載されているのがうなずけます。


meve
   紙飛行機ならではの楽しみ 無尾翼機 「 ホークU 」
 上記のN−1956に尾をつけた鳥 (鷹 ) の造形をとった無尾翼機です。
「 ホーク 」 として子供の科学誌2000年9月号に発表されたものを80%サイ
ズにして上昇性能をさらにアップさせての登場です。最近発表される無尾翼
機はN−1956のように翼長 200mm のものになってきました。本機や境界
層隔離板つき無尾翼機N−1960もN−1956のバリエーションでしょう。
二宮先生が機体にニックネームをつけるのは珍しいことです。


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   紙飛行機の醍醐味 鳥の造形  吉田辰男氏 「 トンビ号 」
 子供の科学誌1973年7月号に発表された機体です。鳶の羽を図案化して
翼面に drawing を施し、さらに尾翼の形状を工夫して鳶の造形をとっていま
す。 尾の部分は中央での下反角で水平尾翼と垂直尾翼の両方の機能を持
たせてあります。エレベーターでの微調整が重要になります。この方式は後
に尾翼下反角型にとってかわられますが、滑空が非常に滑らかで、製作手
順の説明の中に本機が滞空競技用であることを匂わせる一文があります。


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   紙飛行機の醍醐味 鳥の造形  吉田辰男氏 「 ちびわし君 」
 左奥:「 ベビーホーク 」 ( 子供の科学誌1975年11月号発表 )と手前:
「 ちびわし君 」 ( 子供の科学誌1980年2月号発表 ) です。尾翼下反角
型紙飛行機が開発されてからは、このように翼面に drawing を施して簡
単に鳥や昆虫などを紙飛行機として表現できるようになりました。胴体は
貼り合わせ式で丈夫であるため高く投げ上げられます。両者とも飛行性
能は上々です。


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  紙飛行機の醍醐味 鳥の造形  吉田辰男氏 「 ハミングバード号 」
 子供の科学誌1973年11月号に発表された機体です。水平尾翼下に2枚の垂直
尾翼がついています。主翼の形状と複雑な尾翼、細い胴体プロフィールでハチドリ
を表現しています。 まだ、この時期には垂直尾翼には負の取り付け角はついてい
ません。オリジナルにはなかった紙製フックをつけてみましたが、胴体プロフィール
が美しいので、つけない方が良かったかも知れません。小柄な可愛らしい機体
です。


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     紙飛行機の醍醐味 鳥の造形  吉田辰男氏 「 かもめ 」
 子供の科学誌1975年6月号に発表された機体です。ギャラリー1でも尾翼
下反角型を応用した傑作機として紹介していますが、本機は写真のように胴
体プロフィールもかもめを表現したものです。スパンが長く翼面積が大きいの
で、上昇性能はよくありませんが、滑らかな上品な滑空をします。見れば見る
ほど美しさを感じる傑作機です。


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   紙飛行機の醍醐味 鳥の造形  吉田辰男氏 「 スカイダック 」
 翼面にそのものを drawing を施したり、形状を実物に近づけたりして紙飛
行機として表現するのも一手法ですが、モデルとなるものの特徴をおさえて
抽象化して表現するのも面白い手法です。ただし、こちらの方はかなりのデ
ザインセンスを要求されます。写真は子供の科学誌1974年8月号に発表さ
れたもので室内競技で 10.8 秒を記録している競技用軽ハンドランチグライ
ダーです。 「 空のアヒル 」 です。いかがでしょうか?


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 紙飛行機の醍醐味 鳥の造形  吉田辰男氏 「 スーパーアルバトロス号 」
 アルバトロス=アホウドリ ( 現在は名称が変わったのでしょうか? ) を表現
した機体で、子供の科学誌1975年9月号に発表されました。アホウドリは全長
3m 程にもなる海鳥でいわゆる 「 帆翔 」 といわれる滑空をします。本機は主
翼のキャンバーと上反角の付け方におもしろい技法特徴があり、本機だけで
終わらせるのはもったいない気がします。工作が少し煩雑ですが、故人の遺し
たもので応用機を作ってみようと思っています。


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     紙飛行機の醍醐味 鳥の造形  吉田辰男氏 「 スワン2 」
 子供の科学誌1977年2月号に発表された機体です。無尾翼型ですが、翼の
上下反角や双垂直尾翼、翼下面の負の取り付け角を持った双尾翼で機体後
部のボリュームをもたせて、「 白鳥 」 のもつ雰囲気を見事に表現しています。
紙飛行機の醍醐味はこのようなデザインが可能であるとともに、実際に滑空が
可能であるところにもあります。


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     紙飛行機の醍醐味 鳥の造形  吉田辰男氏 「 ファルコン 」
 「 かもめ 」 と同様の尾翼下反角型を応用した吉田先生の最高傑作のひとつ
に数えられる機体です。滑空している機体を下から見上げた際の青空中のシル
エットは、 まさに獲物を狙って突進するように飛翔する 「 はやぶさ 」 そのもの
です。子供の科学誌1977年6月号に掲載されています。



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   紙飛行機の醍醐味 魚の造形  吉田辰男氏 「 フライング・フィッシュ号 」
 紙飛行機をデザインするのに鳥や昆虫は実際に飛翔するので取り組みやすいもの
です。しかし、さらにデザインの幅を魚や動物、植物の種子、抽象物、実際の飛行機
のプロフィルモデル、船や自動車といった乗り物、スケールモデルのような自分の夢
の飛行機にまでひろげると、紙飛行機の楽しみ方は倍増します。「 トビウオ 」 は愛好
家であれば一度はデザインしたことがあると思います。子供の科学誌1974年5月号に
発表された 「 フライング・フィッシュ号 」 です。


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        紙飛行機の醍醐味 魚の造形  「 エイ 」
 私の高校生の頃の作品です。胴体後方下部に垂直尾翼をつけた無尾翼型
です。飛行性能を重視して細長い尾は省きフックをつけました。上昇性能はそ
れほど良くはありませんが、豪快な旋回飛行をします。




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      紙飛行機の醍醐味 生物の造形  「 ウミガメ君 」
 3歳の長男に 「 カメさんの飛行機を作って 」 といわれたので、すぐに
レポート用紙で尾翼下反角型を応用して作ってみました。 意外によく飛
んでくれたので、設計図にのこそうとケント紙でフックを付けて作り直して
みました。尾翼下反角型を応用すれば、ほとんどのものがデザイン次第
で飛ばせます。


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   紙飛行機の醍醐味 プロフィル ・ モデル  ライト ・ フライヤー
 






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   伝統の美しさをもつ デハビランドDH-89 「 ドラゴン・ラピード 」
 二宮康明先生が子供の科学誌1975年12月号で初めて発表し、設計図展開を
現代版に合わせたものを同誌2004年6月号で発表しています。 もともとは作り
応えのある機体ですが、写真はAG社から出ているものでパーツが打ち抜かれ
ているので比較的簡単に作れます。クラシックな美しさを持つ複葉機のプロフィ
ル ・ モデルを作ることは紙飛行機の大きな醍醐味のひとつでしょう。 プロペラ
は虫ピンにビーズを通して滑らかに回転するように作ってみました。


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    紙飛行機の醍醐味 プロフィル ・ モデル  国産旅客機 YS11型機
 2007年6月に日本機械学会が、歴史に残る機械技術関連遺産を大切に保存し文化的
遺産として次世代に伝えることを目的に、 日本国内の機械技術面で歴史的意義のある
ものを機械遺産として認定することにしました。 このYS11型機も認定されました。現在
では飛行する姿を見ることはできませんが、 国産旅客機として長年にわたり親しまれ
てきました。本機は二宮康明先生が子供の科学誌1970年1月号に発表したものに回転
するプロペラを付けたものです。


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   紙飛行機の醍醐味 プロフィル ・ モデル  ダッソー ・ ミラージュ 2000
 二宮康明先生設計のAG社から出ているホワイト ・ ウィングスシリーズでフランス
・ ダッソー社のミラージュ 2000のプロフィルモデルです。最近の二宮先生のデルタ
翼機は安全面の配慮からか、軽く翼面荷重を小さく仕上げてあるので、ゆっくり フ
ワリフワリと滑空します。 子供の科学誌1969年8月号にはミラージュVが発表され
ていますが、初期のデルタ翼機は翼面荷重が大きく取ってあり、スピード感のあふ
れる飛行をしました。両者の変遷に紙飛行機の安全面の発展が見て取れます。


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   紙飛行機の醍醐味 スケール ・ モデル  ジェット ・ トレーナー
 実機のプロフィル ・ モデルも紙飛行機の楽しみのひとつですが、自分の
描いたイメージのスケール ・ モデルを作ることも大きな楽しみです。T尾翼
で低翼の機体は格好の良いものに仕上げやすいです。翼面積を小さくして
あるのでスピードの出る機体です。3人の子供達と一緒に紙飛行機を飛ば
しに行くことがあリますが、 このような翼面荷重の大きな機体は安全確保の
ため、カタパルト射出をしないようにしています。見て楽しむ機体です。


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     吉田辰男先生のスケール ・ モデル 「 そよかぜ 」
 子供の科学誌1983年4月号に掲載されたスケール ・ モデル風のジェット
トレーナー 「 そよかぜ 」 です。低翼機は一般に横安定が悪く、ハンドランチ
の面からも不利なのですが、デザイン面では格好の良い機体が作れます。
本機は胴体後方下部にハンドランチ用のつまみがありましたが、 カタパルト
専用にしたので、この部分ををカットして省略しました。塗装の塗りむらが嫌
なのでコクピットは色ケント紙の貼り合わせではめ込み式です。


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 紙飛行機の醍醐味 船を飛ばす 「 フライング ・ ジェット ・ ボート 」
 ギャラリー1のトップで紹介したジーナ飛行艇のようにイタリア ・ マッキM7と
いった実機があると紙飛行機として設計しやすいのですが、ジェット・ボートの
ようなものになると空想と夢の世界となり、航空力学を無視することなく夢を具
体的に形にしていく過程が必要です。ここが紙飛行機の楽しいところでしょう。
 本機は吉田辰男先生の設計で、子供の科学誌1973年8月号に発表された
「 水中翼船よりも速く走り、空も飛ぶことのできる夢の快速艇 」 です。


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 吉田辰男式切り折り紙飛行機 ポスタルプレーンPP1型 ・ PP2型
 折り紙飛行機と本格的な紙飛行機の長所を取り入れた吉田式切り折り紙
飛行機の開発は故人のすばらしい業績のひとつで、広く普及して紙飛行機
文化に貢献しています。写真は子供の科学誌1975年4月号と1976年4月号
に発表されたポスタルプレーン ( ハガキ飛行機 ) です。古ハガキに簡単に
作図して複製機が作れるようになっています。このように、簡単に性能の良
いものが作れることは紙を素材にしているからこそできることです。


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      吉田辰男式切り折り紙飛行機 リトルスパロー(ズ)
 オリジナルを模して赤黒のバイカラーの特殊紙を使用して作製しました。
ほかは何の説明もいらない名機です。





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        二宮康明先生のホチキス・ペグ N-2214
 二宮康明先生も同様に比較的簡単に作製できる機体を紹介しています。
子供の科学誌2005年7月号から9月号までに相次いで発表されたホチキス
ペグ ( ホチキス・ペーパーグライダーの略称 )です。調整次第では長い滞
空時間が楽しめるとのことで作製してみました。フックがついているので高
く打ち上げられます。ちょっとした合間に作れてこれだけよく飛ぶので紙飛
行機とは楽しいものです。


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